方法的懐疑とは、確実であると思われるすべての観念を排除し、すべてのものを疑うという試みである。この方法的懐疑は、何一つの確実であるものはないと思うところから始まる。まず、物そのものの存在や、外部から肉體に與える感覚（視覚、觸覚など）などのことは偽であると一旦死刑を下す。また、數(shù)學(xué)は、人間が勝手に創(chuàng)ったものか、既に自然界に存在しているものかはわからなく、今正しいと思いながらも、後になって間違いだと気付くことが可能であるから、數(shù)學(xué)の正しさも排除される。さらに、今レポートを書き込んでいる私が夢の中にいるかもしれない。つまり、覚醒と睡眠との判斷基準(zhǔn)がないから、自分が目覚めていることすら疑わしい。完全なる理性を持った神は実際に私たちを欺く神に過ぎないかもしれない。このように、疑える限り疑い、最後に疑っている私の存在を疑うようがない。疑い続ける私が存在しないならば、疑うことができなくなるのである。ゆえに、考えている私が確実に存在する。この後、神の存在?物體の存在?數(shù)學(xué)の正しさはデカルトによって証明される。しかし、物體の存在を証明したといっても、感覚によって物體の本質(zhì)を理解することができない。単なる數(shù)學(xué)?幾何學(xué)的な知識によってのみ、物體の本質(zhì)を理解することができる。物體の味?色?音などは感覚器官への刺激に過ぎないから、確実ではないのである。そこから機械論的自然観が生み出される。物體は部品の単純な組み合わせとなる機械であり、力學(xué)的法則により支配される。機械の部品の役割や、運動などを認(rèn)識したら、機械全體の振舞いを知ることができる。

　機械論的自然観によれば、あるシステムの部分を理解したら、そのシステム全體の振舞いを理解することができる。例えば、柔軟な糸の両端を壁に固定し、糸の長さの微分や線密度などの要素（部品）を分かれば、糸がなす曲線の方程式（システム全體）を求めることができる。言い換えれば、糸の様子を表す微分方程式は厳密解が得られる。ある一様な電場の中に、電子を置くと、その電子の運動軌道や、速度などが予測できる。ということは、あるシステムにおける、すべての粒子の位置及び運動が分かれば、このシステムの未來は完全に予測できる。しかしながら、機械論的自然観は不十分であると考えられる。問題點を取り上げていきたいと思う。

1、 物體の運動狀態(tài)を表す微分方程式は必ずしも厳密解が得られるとは限らない。

2、 不確定性原理によると、粒子の運動?位置が同時に知ることが不可能である。

3、 今のコンピューターでは無限桁の數(shù)が扱えない。

4、 人間の自由意志を否定した。

１と3を合わせて考えてみる。運動方程式の厳密解が得られない場合には、システムの未來を知るために、コンピューターで數(shù)値解析を用いざるを得ない。この時、誤差が必然的に発生する。しかも、誤差が運動方程式に急速に拡大され、正確に予測できない。それは初期値鋭敏性と呼ばれる。初期値鋭敏性とは同じ決定論的な力學(xué)系であっても、初期狀態(tài)に極めて微小な差があれば、時間とともに、その差が大きくなる性質(zhì)である。大気変動モデルの研究者、エドワード?N?ローレンツによる「決定論的非周期な流れ」（1963）の中に取り上げた決定論的な連立常微分方程式が初期値鋭敏性を持つことは驚かせた。このシステムの未來は予測できないのである。極めて微小な影響を受けると、後になって全く異なる振る舞いをしてくる。今2番を加えて考えてみると、この世界の未來が完全に予測できなくなる。粒子の位置が分かったとたんに、粒子の速度を正確に測定することができなくなるのである。機械論的自然観に、人間の自由意志が否定された。頭の中にある細(xì)胞の狀態(tài)が分かれば、その人が考えることや、計畫などを知ることができるであろう。さらに、その人の未來も決まっている。自分の力では運命が変えられない。しかし、細(xì)胞の狀態(tài)が分かっても、その人の考えることが分かるはずがない。その人の運命を知ることがさらに不可能である。人間の意志は細(xì)胞に還元することができないのである。非線形システムは決して部分の単純な組み合わせではない。部分の間での相互作用が存するからである。したがって、社會、或いは個人の運命は、精確に予測できないのみならず、我々の力により、自分の運命を望ましい方向に変えることも不可能である。