日本小4課文:追尋鰻魚之謎【久我Masahi的日語課堂】#55

鰻の謎を追って(追尋鰻魚之謎)
作者:塚本 勝巳(つかもと かつみ)
今年もマリアナの海にやって來ました。日本から真南に二千キロメートル、周りに島一つ見えない海の真ん中です(図1)。毎年のようにここにやって來るのは、鰻がどんな一生を送る生き物なのかを調(diào)査するためです。鮮やかな群青色の海は、白い船體を青く染めてしまいそうです。(我今年也來到了馬里亞納海。位于日本正南方兩千公里,周圍看不見一個島嶼的海當(dāng)中(圖1)。我每年都來到這里,是為了調(diào)查鰻魚這種生物是如何度過一生的。鮮艷的藍(lán)青色大海,好似要把白色的船體也染上青色。)

鰻は、日本各地の川や池に住んでいます。それなのに、なぜ、遙か南の海にまで調(diào)査に來るのか、不思議に思う人もいるでしょう。実は、ここが、日本中の鰻が集まってきて、一斉に卵を産む場所なのです。ここで生まれた鰻の赤ちゃんは、海流に流され、次第に成長しながら、遙々日本にやって來ます。(鰻魚棲息在日本各地的河流池塘。既然如此,為什么要到遙遠(yuǎn)的南面的海來調(diào)查呢,一定有人覺得不可思議吧。其實,這里是全日本的鰻魚聚集而來一起產(chǎn)卵的地方。在這里出生的鰻魚寶寶,順著海流隨波逐流,在漸漸成長的同時,來到遙遠(yuǎn)的日本。)
ここがその場所だと分かったのは、つい最近のことです。それまで鰻の生態(tài)は深い謎に包まれていたのです。その研究の第一歩として、卵を産む場所を見つける調(diào)査が始まったのは、一九三〇年頃のことでした。それからこの場所が突き止められるまでに、実に八十年近くの年月がかかったのです。(知道這里是產(chǎn)卵的地方還是最近的事。迄今為止,鰻魚的生態(tài)還是謎團(tuán)重重。作為鰻魚生態(tài)研究的第一步,尋找產(chǎn)卵地點的調(diào)查是在1930年左右開始的。此后,整整用了將近八十年的歲月,查找到了這個地方。)
卵を産む場所を探す調(diào)査は、より小さい鰻を追い求めることから始まりました。調(diào)査では、目の細(xì)かい大きな網(wǎng)を使って、海の生き物を集める作業(yè)を繰り返します。網(wǎng)の中には、様々な色や形の小さな生き物が入ります。この中から、レプトセファルスと呼ばれる、鰻の赤ちゃんを探すのです。レプトセファルスは、透明で、柳の葉のような形をしています(図2)。海の中で沈み難く、海流に乗って運ばれ易くなっているのです。(尋找產(chǎn)卵地點的調(diào)查,是從追求更小的鰻魚開始的。調(diào)查時,使用了網(wǎng)眼很密的大漁網(wǎng),反復(fù)進(jìn)行著收集海中生物的作業(yè)。漁網(wǎng)中有各種顏色和形狀的小生物。要在其中,尋找一種被叫作柳葉鰻的鰻魚寶寶。柳葉鰻透明且長著柳葉般的形狀(圖2)。很難沉入海中,又很容易隨海流漂流。)

鰻のレプトセファルスが最初に捕れたのは、一九六七年、場所は、臺灣の近くの海でした。體長は五十四ミリメートル。この大きさだと、生まれてから大分時間が経っているため、かなりの距離を海流で流されてきたものと思われました。このレプトセファルスが生まれた場所は、海流をもっと遡った先にあると考えられました。(最初捕捉到柳葉鰻是在1967年,地點在臺灣附近的海域。體長是54毫米。觀其大小,距離出生經(jīng)過了很長時間,看來是隨著海流漂流了有相當(dāng)一段距離了。我們考慮到這條柳葉鰻的出生地在海流的更加上游的地方。)
私がこの調(diào)査に加わるようになったのは、一九七三年のことです。調(diào)査グループは、更に小さなレプトセファルスを求めて、調(diào)査の範(fàn)囲を南へ、そして東へと広げて行きました。レプトセファルスは、海流に乗って運ばれます。海流の上流に行くほど、小さいものがいるはずです。予想通り、捕れるレプトセファルスの體長は、四十、三十、二十ミリメートルと、次第に小さくなっていきました(図3)。(我是在1973年加入調(diào)查的。調(diào)查組尋求更小的柳葉鰻,從而漸漸將調(diào)查范圍擴(kuò)大到南面,以及東面。柳葉鰻是順著海流漂移的。越是前往海流的上游,應(yīng)該有越小的柳葉鰻。同預(yù)料一樣,捕捉到的柳葉鰻體長40、30、20毫米,越來越?。▓D3)。)

そして、一九九一年には、マリアナ諸島の西、北赤道海流の中で、十ミリメートル前後のレプトセファルスを、約千匹捕ることが出來たのです。レプトセファルスの體の中には、木の年輪に似た、一日に一本ずつ増える輪のできる部分があります。その輪を數(shù)えれば、生まれてから何日経っているかを知ることが出來ます。調(diào)べてみると、これらは生後二十日ほどのものだと分かりました。捕れた所から、二十日分の距離を計算して海流を遡れば、親鰻が卵を産んだ場所に辿り著けるはずです。(之后,1991年,在馬里亞納群島的西面,北赤道海流中,捕捉到了大約一千條的10毫米前后的柳葉鰻。柳葉鰻的身體上有著和樹年輪相似的每天長一圈輪的部位。只要數(shù)輪,就可以得知出生后經(jīng)過了幾日。調(diào)查后,得知了這些是出生后20天左右的柳葉鰻。從捕捉到的地方,計算20天的距離,順著海流逆行,應(yīng)該可以抵達(dá)鰻魚父母產(chǎn)卵的地方。)
一九九四年頃、調(diào)査グループでは、これまでの調(diào)査で分かったことを、もう一度整理しました。レプトセファルスが捕れた場所を地図上に記し(図4)、捕れた時の體長と合わせて考えていくと、あることに気がつきました。西向きに流れる北赤道海流を遡って、東へ行くほど、捕れるレプトセファルスは小さくなっています。しかし、ある地點を越えると、ぱったりと捕れなくなっているのです。海底の地形図で確かめると、そこには、大きな三つの海山が、南北に連なっていました。親鰻が卵を産む場所を決める時に、これらの海山が何かの役に立っているのかも知れない、私達(dá)は、そう考えました。(1994年左右,調(diào)查組再次整理了迄今為止的調(diào)查所了解到的內(nèi)容。把捕捉到柳葉鰻的地點在地圖上標(biāo)了記號(圖4),和捕捉到的時候的體長一起考慮,注意到了某一點。順著向西流的北赤道海流逆行,越是往東,捕捉到的柳葉鰻越是小。然而,超過了某個地點,一下子捕不到了。確認(rèn)了海底地形圖,那里有三座巨大的海底山南北相連。我們考慮到鰻魚父母決定產(chǎn)卵地點的時候,這些海底山或許起到了什么作用吧。)

それから、捕れたレプトセファルスの誕生日を先程の輪の數(shù)から計算し、暦と照らし合わせました。すると、多くの誕生日が、新月の日前後に集まっていることが分かりました(図5)。鰻は、新月の頃に合わせて、一斉に卵を産んでいるようなのです。(那之后,根據(jù)剛才的輪數(shù)來計算捕捉到的柳葉鰻的出生日,然后與日歷對照。于是,得知了大多數(shù)的生日都集中在新月的前后(圖5)。鰻魚似乎在新月前后時碰頭,然后一起產(chǎn)卵。)

「海山の近く」「新月の頃」と言う二つの予想に基づいて、私達(dá)は調(diào)査を続けました。どういう訳か、卵も、生まれてすぐのレプトセファルスも捕れないことが、何年も続きました。しかし、二〇〇五年六月七日、新月の日、マリアナ諸島の西にある海山付近で體長五ミリメートル、生後僅か二日の、鰻のレプトセファルスを見つけることが出來ました。確実に卵に近付いていると、私達(dá)の期待は高まりました。けれども、卵は、レプトセファルスよりずっと狹い範(fàn)囲に固まっているので、捕るためには、更に場所を絞り込まなければなりません。(基于“海底山的附近”“新月的前后”這兩點,我們繼續(xù)調(diào)查。不知為何,持續(xù)了幾年沒有捕捉到卵和剛出生不久的柳葉鰻。然而,2005年6月7日,新月,在馬里亞納群島西面的海底山附近,發(fā)現(xiàn)了剛出生2天的,體長5毫米的柳葉鰻。我們的期待高漲,確實是在接近卵。然而,卵比柳葉鰻的范圍更小,要捕捉的話,不得不更加鎖定地點。)

そこで、私達(dá)は、フロントと呼ばれる、塩分の濃さが異なる海水の境目に著目しました。生まれて間も無いレプトセファルスは、これまでフロントのすぐ南側(cè)で捕れていたからです(図6)。もしかしたら、親鰻達(dá)は、「新月の頃」に、「フロントと海山の連なりが交わる地點」で卵を産むのかも知れない、そう考えて、私達(dá)は更に調(diào)査を続けました。(于是,我們著眼于被叫作海流分界的鹽分濃度不同的海水交接處。因為至今為止剛出生不久的柳葉鰻是在海流分界的南側(cè)近處捕捉到的(圖6)。或許鰻魚父母們于“新月前后”,在“海流分界與接連的海底山的交叉點”產(chǎn)卵,我們?nèi)绱丝紤]著,繼續(xù)深入調(diào)查。)
二〇〇九年五月二十二日、新月の二日前の明け方、遂にその瞬間は、やって來ました。鰻の卵らしいものが二つ捕れたのです。大きさは、本の一.六ミリメートル。船內(nèi)は、期待と興奮に包まれました。船の研究室のモニターに映し出されている卵は、虹色に輝いていました。更に詳しく調(diào)べてみると、これらは確かに鰻の卵に間違いないことが分かりました(図7)。その時、船の中に大きな歓聲が上がりました。遂に、私達(dá)は、鰻が卵を産む場所に辿り著くことが出來たのです。初めて調(diào)査に加わった時から、三十六年の年月が流れていました。(2009年5月22日,新月2天前的黎明時分,這一瞬間終于來了。我們捕捉到了兩顆像是鰻魚卵的物體。大小只有1.6毫米。船內(nèi)洋溢著期待與興奮。船的研究室的監(jiān)視器中映出的卵閃耀著虹色。進(jìn)一步詳細(xì)調(diào)查后,我們確認(rèn)了這確實是鰻魚卵(圖7)。那時,船內(nèi)響起了高歡聲。我們終于抵達(dá)了鰻魚產(chǎn)卵的地方。從最初加入調(diào)查的時候起,時光流逝了36年。)

鰻がどこで卵を産むのかと言う問題は、これでほぼ明らかになったと言っていいでしょう。しかし、なぜこんな遠(yuǎn)くまで卵を産みにやって來るのか、広い海の中でどうやってオスとメスは出會うことが出來るのか、知りたいことはまだまだ増えるばかりです。これらの謎を解くために、私達(dá)は、今年もマリアナの海にやって來たのです。(鰻魚在哪產(chǎn)卵的問題已經(jīng)可以說是基本弄清了。然而,為什么要到那么遠(yuǎn)的地方來產(chǎn)卵,在廣袤的海中,雄魚和雌魚是如何相遇的,想要知道的問題不斷增加。為了解開這些謎團(tuán),我們今年也來到了馬里亞納海。)

詞匯
真南(まみなみ):正南
群青色(ぐんじょういろ):藍(lán)青色
遙々(はるばる):遠(yuǎn)道而來、千里迢迢
突き止める(つきとめる):追究、徹底查明;找到、搜尋到某人的住處等;刺死
目の細(xì)かい(めのこまかい):(網(wǎng)眼或針織物等)密、細(xì)
記す(しるす):記錄;做記號;銘記;預(yù)示前兆
照らし合わせる(てらしあわせる):對照、核對、查對;光線合照、對照
絞り込む(しぼりこむ):鎖定、限定、檢索;擰、榨

作業(yè)
1.讀課文
2.思考課文相關(guān)問題:

3.閱讀圖片內(nèi)容并完成練習(xí):
